アイラトビカズラ

2007年4月29日(晴れ)

熊本県山鹿市菊鹿町相良

写真をクリックすると大きな画面が開きます。


アイラトビカズラは入り口からは、
このように見え案内がないと、只の斜面にしか見えません。

案内板には

マメ科のつる性の常緑木本。つるは大きく、葉は濃緑色で光沢がある。
5月に太い茎を出し、10〜20個の暗紫色の大きな蝶形の花をつける。普通は結実しな いが、
昭和37年に人工授粉により結実させた結果、
中国中部に分布する常春油麻藤と同じ種類であることが確認された。
日本ではただ一本自生する貴重な植物 で、樹令は約1000年と推定されている。

学 名:ムクナ センペルビーレンス
中国名:常春油麻藤(じょうしゅんゆまとう)

飛蔓(トビカズラ)伝説
 昔、源平合戦の頃のはなしである。
壇の浦の合戦で敗れた平家の残党が相良寺に立て籠もった。
当時、この地には本堂ほか九十九の坊舎建ち並んでいたという が、
これを豊後竹田の源氏方武将緒方三郎なるものが焼討ちした。
この時、観音様は飛翔してこのカズラに飛び移り危うく難をのがれられたという。
 また、一説には、観音様がカズラに姿を変えて飛来され、
走落の坂を下る緒方三郎の乗馬の足にからみつかれ、
落馬したところを残兵が討ち取ったとも伝える。
「トビカズラ」の名の由来について、この二つのはなしが伝わっている。

トビカズラの花は古来優曇華(うどんげ)と呼ばれ、
「霊華時を隔てて開花することあり。開花すれば必ず国家的事変がある。」
と言い伝えられてきた。
昭和4 年5月、満州事変勃発の前年に35年ぶりに開花をみたという。
優曇華は、仏教では3千年に一度花を開きその花の開くときは金輪王が出現するといい、
また如 来がこの世に現れるといわれている。
近年では毎年のように4月下旬から5月上旬にかけて暗紫色の房状の花をつけている。



この案内にも、国指定天然記念物と書いてあります。
しかし2000年、九十九島の時計島に自生しているのが発見され
島より花・葉を持ち帰り鑑定した所、同種と確認されました。、
樹齢1000年の古木に咲くのはここ菊鹿町だけです。!!


階段を上がると棚を作ってその上に這わしてあります。

谷側には日当たりが良く、まるで蔦のようですね。
中に入って上を見ると


これがアイラトビカズラの花です。
色からして巨峰のようです。

これはまだ開花前の花でまさにブドウですね。


斜面のこれは根なのか?幹なのか?良く分かりませんね。
つる性の木なので根と幹の区別も無いかもしれませんね。


1房に10から20の花が付いています。

落ちていた花を撮ってみました。
この形、密教の法具の三鈷杵に似ていると思うのは私だけでしょうか?

何となく神々しく見えるように感じます。

この写真を見ると分かるように真ん中の角のような所から
雄しべと雌しべが出ていますね。
角が花で回りはガクなのかも知れませんね。
マメの鞘のように厚く強い花に守られているから
結実し難いのかもしれません


ここが1番沢山ありました。
まるで蜂が集まっているかのようで少し気持ち悪いです。

ここ数年は毎年咲いていますが、
これが咲くと国家的事変が起こると言われていますが
ここ数年物騒になってきたとは、思いませんか?

P.S.
大分県佐伯市蒲江に 近縁種のカマエカズラ(県指定天然記念物)があります。

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